そんな疑問にお答えします。
- 今回のテーマ
重要事項の説明【トラブルなく安心して解体工事を進めるための一番大事な準備】について、解説します。
この記事の最後に、【解体工事の段取りチェックリスト】を一覧表にしております。PDFでダウンロードもできます。
⇒ 【解体工事の段取りチェックリスト】はこちら
タップできる目次
トラブルを未然に防ぐためには
解体工事を進めていくと、ときにクレームやトラブルが発生する場合があります。どんな問題が起きるのか事前に話し合っておけば、万一のときもすぐに対応できます。
代表的なトラブル事例
- 打ち合わせと現場指示の違い
- ホコリと騒音でクレーム(誰が対応するの?)
- クレームを言っても対応してくれない
- 事前の説明がなく、後から追加請求
- 外国人ばかりで言葉が通じない
トラブルを未然に防ぐためには、5つの重要事項についてご説明することはが一番大切なことです。
5つの重要事項の説明
②追加費用について
③近隣へのご挨拶とトラブル対応について
④支払い期日
⑤損害保険の加入(事故)
事前の取り決めや、予期せぬトラブルが起きる前に話し合っておく内容です。ご契約前にきちっとご説明することが、解体業者としての責任だと考えます。
注意してください
①事前の取り決め(見積り条件)
提出された見積書の通りに解体工事を進めるのに、必要な前提条件のことです。見積り調査のときは口頭だけのやりとりが多く、曖昧な場合があります。例えばこんなことです。
- 解体工事の範囲
- 使える土地や駐車場の確保
- 作業時間、など
これらに大きく変更があれば、極端に作業効率がわるくなったり、段取りに影響するため、結果として工事の原価にも影響がでます。なので、お見積り金額が変わる可能性もあるわけです。
打ち合わせ内容は書面に残す
解体工事の発注までには何度か打ち合わせを重ねていると思います。それまで話し合った内容と実際の現場の作業に違いが出てくると、後々に言った言わないのトラブルになります。なので、打ち合わせ内容を議事録として書面に残してもらうよう解体業者さんに依頼しましょう。
その他に作成を依頼する代表的な書面をあげておきます。
【事前の取り決め】について、話し合う内容や準備する書面などは、【解体工事の手順】の中で詳しく解説しております。
リンク ⇒ 初めての解体工事の手順
内装解体の【事前の取り決め】について
内装解体では、取り壊す範囲や条件が細かいので慎重に話し合いを重ねてください。特に賃貸物件の返却の際の現状復旧工事は以下の点に注意しましょう。
- 賃貸契約書
- 現状復旧の個所
- 賃貸の返却日程(解体工事の完工日)
リンク ⇒ 初めての内装解体
②追加費用について
追加費用についての説明で大事なのは、『こういう場合は追加費用がかかりますよ』ということを事前に説明を受けることです。
解体工事がすべて終わってから、急に追加請求されることだけは避けたいですよね。工事着工前から解体業者とあらかじめ【不測の事態】について話し合うことで、「場合によってはこれくらいの費用はかかるかもな」と、知っておくことが大切です。
追加費用がかかる代表例
不測の事態に備えて、どんな場合に追加費用が発生するのか知っておく必要があります。 追加費用の代表を下記5つまとめました。
- 地中埋設物
- 頑丈な基礎(ベタ基礎)
- アスベスト含有物
- 不用品
- 見積書の項目にないもの
見積書の特記事項を見落とさない!
追加費用については、見積書に記載がある場合があります。『〇〇〇の場合は別途お見積り』みたいな文言です。
つまり、【見積書の範囲】ではないから追加費用がかかる、というわけです。
③近隣のご挨拶とトラブル対応について
解体工事の範囲については、十分に時間をとって説明を受けてください。
隣地、隣接には要注意を!
【単純に更地にする】といっても、ブロック塀など外構の残し方でトラブルになることもあります。隣地が関わる場合は、必ず隣地の方と対面で、境界について話し合いましょう。また測量図面があると杭の場所も明確になります。
- 必ず対面で解体範囲の了解を得る
- 杭の場所を明確にする
- ブロック塀など外構の撤去の仕方
- 測量図面を用意する
トラブル対応について
解体工事は十分に気を付けていても、騒音や粉塵など少なからずご近隣に迷惑がかかります。予期せぬトラブルに対して、事前に話し合っておくことが必要です。
代表的なご近隣トラブル例
- 騒音による睡眠妨害
- 粉塵による汚れ
- 振動による亀裂
- 工事車両による通行の妨害
- 職人の大声がうるさい
④支払い期日
解体工事は【契約ごと】なので、工事請負契約書に【支払い期日】を明記しましょう。一般的には、工事完了を確認してから7~10日後くらいでお振込みとなります。
【解体工事が終わってすぐ支払う】というわけではない場合は要注意です。
たとえば・・・
・新築の建て替えの場合、建築ローンから解体費用を割り当てる
・土地の売却の場合、決済後の入金で解体費用を割り当てる
・給与やボーナスの入金に合わせて、工事代金を支払う
今回の重要事項の説明のように、事前に話あって業者側の了承済みであれば問題ありませんが、解体工事が終わってから支払いのことを話すとトラブルの元です。
なので、必ず契約書に明記しましょう。
⑤損害保険の加入(事故)
建物の解体工事は、場合によっては危険がともなう仕事です。どれだけ注意をしていても100%安全を守れるということはないのが現実です。万一の破損事故のために、工事損害保険の加入は必須です。
解体工事中に起こりえる事故
『万一のトラブルが起きた時』の話なので、意外と解体業者さんは説明をしてくれるところは少ないようです。解体作業は【いつも予定通りに進み、安全な作業】という現場だけではありません。
万に一つ起こりえるトラブルについて、事前に話し合っておくことは、とても重要です。
- 隣の家の壁を壊してしまった
- 車にキズを付けてしまった
- 通行人をケガさせてしまった
- 境界杭を誤って動かしてしまった
これらはすべて工事保険で補償できます。
安全・安心を確保するために、損害保険の加入を確認しましょう!
アドバイス
まとめ:説明が不十分な解体業者は要注意!
【トラブルなく安心して工事を進める】ための一番大事な準備なので。ご契約前にきちっとご説明することが、解体業者としての責任だと考えます。
解体工事は決して安い買い物ではありません。だから選んでいただける以上、【選んで良かった】と言ってもらいたい。見積り金額が安い、対応が良い、ということももちろん大事ですが、【安心して任せられる】ためには、ご発注いただいた以上は【トラブルなく安心して解体工事を進める】ことです。
最後に、関連記事として【解体工事の段取りチェックリスト】をつけときます。全体の工事の流れから、段取りにモレがないようにしたチェックリストです。