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内装解体の見積りの注意点やポイントを解説
店舗や事務所、マンションの内装解体を検討する際には、「初めての経験で何から手を付けていいのやら…。」と、頭を悩ませる方が多いのではないでしょうか。そういった方々に向けて内装解体の見積りに関するポイントをまとめました。
- 今回のテーマ
【初めての内装解体でも大丈夫!お見積りの注意点とダンドリ】について解説します。
工事範囲の特定
内装解体は、スケルトン解体(内装全撤去)をする場合の方が少ないです。つまり、どこかはそのまま残す必要があります。
解体業者とだけで現地を確認すると、「ここは撤去しますか?」などと質問されても、正確には答えることは難しいと思います。
ご自身の判断ですべて内装解体を進めても良ければ別ですが、通常は管理会社やオーナーの意向(契約書内の事前の取り決め)が反映されていないといけません。
見積調査は3者の立ち会いのもと
内装解体の現地調査の際には、依頼者と解体業者のほかに管理会社(オーナー)といった、関係者3者がそろうことが理想です。
その時点で部分解体なのか、スケルトン工事にするのか、工事範囲を明確しますので、その話をそのまま解体業者に伝えることができます。
場合によっては、内装解体後に現状復旧として内装工事(壁クロスや床を仕上げて返却など)が必要になる場合があります。
トラブル回避の為に
現地調査(立会い)で決まった確認事項は、文書にして残しておくことをお勧めします。
こうすることで、管理会社が残して【良い】と言ったものが、後からオーナーは【撤去】というような、「言った、言わない」などのトラブル回避にもつながります。
解体業者に書面作成を依頼
『見積書の範囲は打ち合わせ内容にもとづきますので』とお願いすれば、良心的な解体業者であれば、きっと協力してくれるはずです。
見積もり入手時期
見積もりを取る時期ですが、やはり直前になってしまうと解体業者は工事に入れないケースもあります。通常1カ月前後は予定工事が詰まっていると思ってください。
原状回復なら、移転・引っ越しの予定日までに済まさなくてはなりませんし、リフォームの規模によっては別に仮住居が必要になりますから、予定がずれるとそれだけ費用がかさんでしまいます。
内装解体で費用削減のためのポイント
内装解体に限ったことではありませんが、解体費用を抑えるためのポイントは建物の中に残っているものを出来るだけ少なくし、キレイに掃除することです。
残置物の処分
室内に残置物があるままでは、内装解体とは別にその分の処分費用がかかってきます。
全て解体業者に撤去してもらう場合はいくらかかるのか、自分で撤去した場合はいくら削減できるかを検討できるように、見積もりを細かく出してもらうと経費削減の参考資料になります。
実際にご自身で処分される場合は、リサイクルショップやオークションサイトに出品してみましょう。そこで引き取ってもらえない小物は、一般ごみで処分といった感じです。
キレイに清掃して退室する
これは解体業者からの目線ですが、室内の汚れがヒドイままだと、内装解体の工事はやりづらいのが正直なところです。
例えば、飲食店の油です。
内装材の剥がしや外部への搬出、ダンプへの積み込みなど、すべての作業において進みが遅くなることがあります。
解体せずに残せる部分の交渉
契約内容に「スケルトン返却」となっている場合でも、取り壊さずに残すことで、オーナーさんにとってもプラスのものある可能性があります。
例えば、エアコンやトイレなどは状態の良いものがあれば、残しておくと次のテナントが決まりやすいということもありえます。
一方で、中途半端に使用したものを残して、次のテナントが「撤去しといてほしい」と依頼されれば、その時の費用はオーナーが負担することになります。
内装解体の費用と手順
豊和解体で実際に施工した内装解体の現場を、手順を追ってご紹介します。
- 店舗(飲食店)の現状復旧工事
4日作業 | 53㎡ | 60万円 |
---|
※作業環境や撤去範囲によって、金額は変動します。
名古屋市で飲食店を経営されている方からのご依頼です。退去する2カ月半前。解体工事の見積もりを算出するため、お客様、豊和解体、管理会社の三者立会いのもと行いました。
⇒ 【実際に施工した内装解体の費用事例】をすぐに見る方はこちら
内装解体の流れ
解体工事の案内書面
工事着工前に、いつだれがどのような作業に入るのか、という案内書を提出する必要があります。マンションの場合であれば管理室、テナントであれば管理会社になります。
期間、作業内容、施工会社、責任者、連絡先
ライフラインの切断
電気設備、分電盤、ガス管、給排水設備、空調設備、防災設備(火災報知器、スプリンクラーなど)
それぞれの配線配管は、室内の天井や床、壁の中を通っているため、内装解体に大きく影響します。
とても重要な工程なので、どこでどのように切断・処理するのか、必ず確認しましょう。
搬出経路の保護養生
共用施設(エレベーター、トイレ等)や共用通路(エントランス)
テナントや商業施設、マンションなどは共同で使用する(管理する)場所があります。
工事中もその場所を使用する場合は多いので、傷や汚れがないよう養生はしっかりして保護します。
内装材の撤去:壁、天井、床
それぞれ下地材がありますので、その撤去をどこまでするのか確認しましょう。
ハツリの騒音にご注意を
トイレや風呂にコンクリートやブロック積がある場合、コンクリートを破砕するハツリ工事が発生します。
ハツリには、振動や音が発生しますので、近隣への事前案内と協力が必要です。
実際のお見積書
内装解体の見積書では【費用項目3つ】について注目してみてください。
- ①解体作業費
- ②廃材の集積、搬出
- ③運搬、処分費
対象 | 項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
①解体工事 | 床組み撤去作業費 | 53平米 | 1,000 | 53,000 |
天井撤去作業費 | 53平米 | 1,200 | 63,600 | |
回り壁撤去作業費 | 72平米 | 1,000 | 72,000 | |
間仕切り壁撤去作業費 | 20平米 | 1,200 | 24,000 | |
トイレ撤去作業費(はつり) | 1式 | 50,000 | ||
カウンター撤去作業費 | 1式 | 50,000 | ||
②③廃棄物搬出・処分 | 廃棄物搬出・積込作業費 | 13立米 | 2,000 | 26,000 |
上記廃棄物運搬・処分費 | 13立米 | 10,000 | 130,000 | |
その他 | 不用品の撤去処分費 | 8立米 | 10,000 | 80,000 |
外部看板撤去処分費 | 1式 | 70,000 | ||
お値引き | -19,800 | |||
合計金額 | 60万円 |
※作業環境によって、作業の効率や金額に変動があります。あくまでご参考までに。
お見積書を見るときの注意点は3つです。
- 範囲や量の単位を揃えて比較する
- 一式〇〇円の表記があまりに多いのは要注意
- 特記事項の説明を十分してくれたか
具体的なお見積書や特記事項の正しい見方については、こちらの記事にまとめております。
内装解体【費用事例 3選】をご紹介します
【費用事例】名古屋市守山区の店舗の内装解体【賃貸返却スケルトン】
まとめ:見積りの時に正しく解体業者と会話すれば、良い業者の見分けも早くなる
内装解体は、残す部分と撤去する部分の範囲の特定や、最終の引き渡す状態の仕上げ工事など、事前の打ち合わせが複雑な場合があります。
管理会社も含めた3者の立会いをするだけでも、解体業者にとっては打ち合わせをスムーズに進めることができるので、有難いと思います。
あとは打ち合わせの漏れがないように、下記のことに注意して見積り依頼をすれば、良心的な解体業者はきっと応えてくれると思います!
- 工事範囲の特定を明確にしましょう
- 現地調査は、3者一緒に【発注者、解体業者、管理会社(オーナー)】
- 打ち合わせ内容は書面に残しましょう(解体業者に提出してもらうと楽)
- 残置物はなるべく残さず、キレイに掃除をしましょう